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「しあわせ」って

インドは人を哲学的にする・・・なんて言われます。
「インドで考えた」「インドでワシも考えた」などなどの
書籍がロングセラーになっているのもその所以。

たとえば路上生活者を見て、「かわいそう」と感じるのは
こちらの思い込みかもしれない。本人たちは家族そろって
同じところで暮らせて、それなりに満足しているかもしれない。
その同情心は余計なお世話かもしれない・・・といつも自問自答しています。

人が同情心を持つ場合、 優越感から生まれるもの
罪悪感が刺激されたもの、さまざまな誘引があると思うんです。
インドで暮らしていると、知らず知らずのうちに私たち日本人は
優越感を感じている。
見るからに自分より劣悪な環境にいる人、貧しそうに見える人
彼らに対して優越感を感じ、彼らが「かわいそう」だと決め付けてしまう。
それが正しい見解かどうかは、本人たちにしかわからないはずなのに。
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たとえば。
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以前、ジョードプルのマハーラージャーにインタビューしたときに
ジョードプルでお気に入りのこと(もの)は何ですか?とたずねたら

どんな環境であれ、人々の目がきらきら輝いていること
貧しいなりにも「しあわせ」だと言える人々が多いこと

と仰いました。そんなの綺麗ごとだと思われる方もいらっしゃるでしょうが
そんな風に自分の街に住む人を把握しておられるガジ・スィン2世は
「ちゃんと人の目を観て政治を執り行っておられるのだなぁ」と感じました。
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今日は何が言いたいのかと申しますと~

インドでNGOやNPOや慈善活動などをする場合には
何が求められているのか、何をすることが一番ためになるのか
を把握し、「継続」することが必要だということを力説したく。
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いつもその例として紹介するんですが
日本のとある団体が、デリーのスラムに「簡易トイレ」(よく
工事現場とかにある、独立式のもの)を2つ寄付したんです。
で、フォローもアフターケアもなしに2年後に同じ団体の方が
そのスラムに行ってみたら、簡易トイレは「卵やさん」として転用されて
ひとつが卵の倉庫に、もうひとつは卵売りの店舗になっていたという話。
そしてスラムの人々は相変わらず、朝夕お尻を洗うための水の入った
マイボトルを下げて、近所の潅木のある場所に用足しに通っていたというわけ。
与えっぱなしでは、要を為さないってことの典型的な例ですね。

援助が必要なコミュニティや地域がある場合
必要なもの・ことがらを聞いてその要求を満たすことができない場合には
継続的な「金銭的援助」が一番有難がられるはず。
冬服が必要であったり、栄養価の高いビスケットが必要であったり
洗ってすぐ乾くようなおむつの布地が必要だったり・・・・・
それは現場の声を真摯に聞かなくては理解し得ないことですよね。
その相手方のニーズも時の流れとともに変容するだろうし。
人間的尊厳が守れるようにするための援助、というのは言わずもがな。

もうひとつ。
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マザーテレサがご存命の頃、とある日本の宗教指導者との
ミーティングの席に同席させていただいたことがあります。
アポイントはとってありましたが、初日は近所を巡回に行かれた
マザーが時間になってもお戻りにならず、こちらも他の予定があったので
翌日のアポイントをいただいて帰り、翌日もまた同じ・・・・
3日目にリーダー格のシスターに「一体マザーは何時にお戻りに
なりますか?」とたずねたら「途中で困った人や行き倒れた人を
見つけた場合には、彼らの必要が満たされるまでとことん
お世話なさいますから、何時におもどりになるか・・・・御ミサの時間には
もどられるはずです」とのこと。

「必要が満たされるまで」

これがまさにポイントであろうと思います。
(結局マザーにも無事お目にかかれて、手をつないで(!)
修道院の中を歩いたこと。マザーの手の感触は、勲章のように私の掌に残っています。)
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そんなわけで、少しでも手助けが必要な場所・施設・団体への
援助が実現できるようにと、日本人会のボランティアサークルを通じて
博物館ツアーを企画していただいています。
ご案内役を勤めさせていただくことにより
皆様からの参加費を「施設援助基金」にしていただいております。
何もせずに目に入ってくるさまざまな現状から目をそらすよりも、
なにかしらやりたいけど、なにをやったらよいのかと憂えるよりも
ちっちゃなことでも、まずは動く。

今年もおかげさまでお申し込みが定員に達したとのこと。
ご参加のお申し込みをいただいた皆様、ご協力に御礼申し上げます。
1月28日の「インド勉強会」(+クラフトミュージアム事前勉強会)
2月12日の「クラフトミュージアム見学会」でお目にかかれるのを楽しみにしています!

(本文の内容と写真とは無関係です)

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by neelkamal-archive | 2013-01-16 01:57 | 青蓮日記


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