インドは人を哲学的にする・・・なんて言われます。
「インドで考えた」「インドでワシも考えた」などなどの 書籍がロングセラーになっているのもその所以。 たとえば路上生活者を見て、「かわいそう」と感じるのは こちらの思い込みかもしれない。本人たちは家族そろって 同じところで暮らせて、それなりに満足しているかもしれない。 その同情心は余計なお世話かもしれない・・・といつも自問自答しています。 人が同情心を持つ場合、 優越感から生まれるもの 罪悪感が刺激されたもの、さまざまな誘引があると思うんです。 インドで暮らしていると、知らず知らずのうちに私たち日本人は 優越感を感じている。 見るからに自分より劣悪な環境にいる人、貧しそうに見える人 彼らに対して優越感を感じ、彼らが「かわいそう」だと決め付けてしまう。 それが正しい見解かどうかは、本人たちにしかわからないはずなのに。 たとえば。 ****** 以前、ジョードプルのマハーラージャーにインタビューしたときに ジョードプルでお気に入りのこと(もの)は何ですか?とたずねたら どんな環境であれ、人々の目がきらきら輝いていること 貧しいなりにも「しあわせ」だと言える人々が多いこと と仰いました。そんなの綺麗ごとだと思われる方もいらっしゃるでしょうが そんな風に自分の街に住む人を把握しておられるガジ・スィン2世は 「ちゃんと人の目を観て政治を執り行っておられるのだなぁ」と感じました。 ******* 今日は何が言いたいのかと申しますと~ インドでNGOやNPOや慈善活動などをする場合には 何が求められているのか、何をすることが一番ためになるのか を把握し、「継続」することが必要だということを力説したく。 いつもその例として紹介するんですが 日本のとある団体が、デリーのスラムに「簡易トイレ」(よく 工事現場とかにある、独立式のもの)を2つ寄付したんです。 で、フォローもアフターケアもなしに2年後に同じ団体の方が そのスラムに行ってみたら、簡易トイレは「卵やさん」として転用されて ひとつが卵の倉庫に、もうひとつは卵売りの店舗になっていたという話。 そしてスラムの人々は相変わらず、朝夕お尻を洗うための水の入った マイボトルを下げて、近所の潅木のある場所に用足しに通っていたというわけ。 与えっぱなしでは、要を為さないってことの典型的な例ですね。 援助が必要なコミュニティや地域がある場合 必要なもの・ことがらを聞いてその要求を満たすことができない場合には 継続的な「金銭的援助」が一番有難がられるはず。 冬服が必要であったり、栄養価の高いビスケットが必要であったり 洗ってすぐ乾くようなおむつの布地が必要だったり・・・・・ それは現場の声を真摯に聞かなくては理解し得ないことですよね。 その相手方のニーズも時の流れとともに変容するだろうし。 人間的尊厳が守れるようにするための援助、というのは言わずもがな。 もうひとつ。 ***** マザーテレサがご存命の頃、とある日本の宗教指導者との ミーティングの席に同席させていただいたことがあります。 アポイントはとってありましたが、初日は近所を巡回に行かれた マザーが時間になってもお戻りにならず、こちらも他の予定があったので 翌日のアポイントをいただいて帰り、翌日もまた同じ・・・・ 3日目にリーダー格のシスターに「一体マザーは何時にお戻りに なりますか?」とたずねたら「途中で困った人や行き倒れた人を 見つけた場合には、彼らの必要が満たされるまでとことん お世話なさいますから、何時におもどりになるか・・・・御ミサの時間には もどられるはずです」とのこと。 「必要が満たされるまで」 これがまさにポイントであろうと思います。 (結局マザーにも無事お目にかかれて、手をつないで(!) 修道院の中を歩いたこと。マザーの手の感触は、勲章のように私の掌に残っています。) ***** そんなわけで、少しでも手助けが必要な場所・施設・団体への 援助が実現できるようにと、日本人会のボランティアサークルを通じて 博物館ツアーを企画していただいています。 ご案内役を勤めさせていただくことにより 皆様からの参加費を「施設援助基金」にしていただいております。 何もせずに目に入ってくるさまざまな現状から目をそらすよりも、 なにかしらやりたいけど、なにをやったらよいのかと憂えるよりも ちっちゃなことでも、まずは動く。 今年もおかげさまでお申し込みが定員に達したとのこと。 ご参加のお申し込みをいただいた皆様、ご協力に御礼申し上げます。 1月28日の「インド勉強会」(+クラフトミュージアム事前勉強会) 2月12日の「クラフトミュージアム見学会」でお目にかかれるのを楽しみにしています! (本文の内容と写真とは無関係です) 今日も 応援クリック ポチっと↓↓ お願いします!
by neelkamal-archive
| 2013-01-16 01:57
| 青蓮日記
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