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サリー考察

先日、India Japan Initiative(IJI)の主催で
デリー日本人会さくら会(婦人部)の会員のために
「サリー・ワークショップ」が開かれました。
サリーを含めたインド女性の伝統的衣装、お化粧や
アクセサリーについて、いろんなトリヴィア含めて
ご案内させていただきましたが、一番盛り上がったのは
やはり「サリーの着付け」タイムでしたね~

日本の着物と同じく、サリーは場数を踏んでいかないと
綺麗に堂々と着こなせないもの。足元がかくれる丈のサリーを着て
いかに上手に足裁きをするか、も女性の腕の見せ所(?)なんです。

今回のワークショップでは、デリーの老舗セレクトショップの
OGAANの協力もあり、沢山のデザイナーズサリーも試着でき
更にIJIが沢山のバングル(腕輪)やビンディ(おでこに貼るシール)を
体験・お持ち帰り用として準備してくれていたり、
メヘンディ体験できるコーナーもあったので、皆さんに楽しんで
いただけたことと思います。

テキスタイルが好きな方のために、産地に沿ってぐるりと
インドを一周しつつ、更に補足説明しますね。
(忘備録を兼ねているので、興味のない方は読み飛ばしてね
過去のサリー記事はコチラにもあるわよ~)

まずはインドの花嫁必携といわれる、シルクサリーの産地
ヴァラナシから。インドでは花嫁のサリーの色は「赤」
それも各家、決まったシェードがあるんです。我が家はマルーン系
あちらのお宅は朱色系、こちらは真紅・・・・と言う風にね。
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インドの結婚式は女性側の一世一代の大勝負(?)
完璧な花嫁を目指し、婚約が整ったらすぐにエステに通ったりして
その日に最高に輝けるように・・・というのは洋の東西を問わず。
最近では花嫁衣裳にはデザイナーズサリーが人気ですが
嫁入り道具に必ずヴァラナシ・サリーを持参する女性も多いのです。

お次は東インド・コルカタ周辺のものから「バルチャリ」サリー
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ムガール時代からのイスラムの権力者たちが住んでいた
ムルシダバード地区にあるバルチャリ村で
歴代創られていたのが、絹のサリー。ムガール時代には
高貴な人々しか身につけることが許されていなかったものでした。

東インド会社の時代には、「安くて質の良い絹サリー」が
イギリス人たちにも大人気で、生産が間に合わなかったとの記録も。
イスラムの権力者たち(ナワーブ)がその技術を高く買い
材料確保にも協力的であったため、この地は有名な
シルクサリーの産地として、名を知られるようになりました。
ボーダーの部分は花や木々、肩から垂れるパッルには
神話などの物語が金糸で織り込まれているのが特徴。

南に下って、今度はタミルナードゥ州のサリー
カンチープラム
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南インドのサリーの特徴は、他の地方のものと比べて
長いこと(9メートルのものもあり)。
それで↑このような着方もできるわけですね。
機にかかっていたときの、端糸の部分が綺麗なタッセルに
なっているのも特徴。
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タミルナードゥの小さな村、カンチープラムでは、住民のほとんどが
シルクサリー産業に携わっており、今も5000家族が従事しているそうです。
行ってこの目で納得いくまで見てみたいのぅ・・・・

マハーラシュトラ州の代表は「パイターニ」サリー
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↑これが典型的なパイターニの色使いですが、パッル(垂れ)の
部分に金糸がふんだんに使われ、紫・フューシャピンク・オレンジ・緑・青で
模様が描き出されています。孔雀の模様、オウムと蓮の花の模様が代表的。
アウランガバード(アジャンタ・エローラ石窟観光の拠点)の
パイターン村で作られているサリー
アジャンタ石窟の仏教壁画に影響されたモチーフ(蓮など)が
織り込まれているのも特徴。

最後にパトラ・サリーをご紹介。
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グジャラート州のパタン村で織られる伝統的な縦横絣は
本来の「植物染め」で手織りできる家族が一軒のこるのみ。
↑上の画像のデザインは、博物館ピースの復刻版。
絹糸を模様にあわせて縦糸・横糸別に染め上げ
寸分の狂いもないように模様を描き出していくことから
一枚のシルクサリーに25年かかる・・・と言われる貴重品。

娘が生まれたらすぐにサリー製作にかかってもらい
嫁ぐころにできあがる・・・・らしい。
アハメダバードの北にあるパタン村で、植物染めのサリーを
織る職人一家、サルヴィさんのお宅を訪ねたときに
その行程を見せてもらって、なるほどな~、こりゃ~時間かかるわ
と納得したのでありました。
(絣模様についての青蓮的考察はコチラの過去記事で)

インドのテキスタイル話、はじめるとキリがありません。
続きはまたね~~
なが~~~い説明をご拝読賜り、ありがとうございました。

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by neelkamal-archive | 2010-08-17 22:30 | ファッション


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